物理は、理系の中でも最も根源的な問いに挑む分野であり、基礎的な理論から最先端の技術まで幅広く話題に事欠きません。
一方で、大学受験においては、一般に物理は高得点を取ることが難しい科目として敬遠されているのが実情です。
しかし、正しい勉強法を取り入れることで、物理を克服し高得点を目指すことができます。
本記事では、理系の視点から物理の勉強法を解説します。
物理を勉強するメリット
①世界の解像度があがる
身の回りの現象を理屈立てて理解することができるようになる
物理は”物(もの)”の”理(ことわり)”、世界のもっとも根源的なものを探究する学問です。
時間とは何か、空間とは何かといった深淵な問いだけでなく、身の回りにも物理はたくさんあります。
例えば、電車に乗っているとき、自分の重心にかかる力の向きを考えてみましょう
電車が動き出すとき、加速度は電車の正方向にかかります。
この時、電車と共に動く座標系(非慣性系)では進行方向と逆向きに慣性力が働くので動き出した瞬間、油断していると体勢を崩します
このように身の回りの物理を意識し始めると、物理の勉強も現実に即したものであり、色々なことがより具体的な実感を伴ったものになるはずです。
身近な物理を楽しもう
②物理を学ぶと実利がある
物理を勉強する上で大切なのは、数理モデリングの考え方です。
これは物事の本質が何かを見極める、抽出する思考法と言い換えることもできます。
どういうことかというと、実際に起こっている現象は複雑な要因が絡み合って起こっています。
それらの要因を全て変数としてモデルを立てると、煩雑になり、実用的なモデルではなくなってしまいます。
これを意味のあるモデルにするために、研究者はその現象の本質となる変数を抽出してモデリングしていきます。
この考え方は物理を始めとする化学や生物、地学などの自然科学のみならず、建築や経済など広範囲で用いられています。
要点を掴むのが上手くなる
物理を勉強をするポイント
- 基礎法則の理解
- 適切な数式表現
- 現象の解釈
①基礎法則の理解
基礎法則とは理論の起点となる法則のことで、運動方程式やマクスウェル方程式がこれにあたります。
公式と呼ばれるものは全て基礎法則から演繹的に導くことができます。
書いてあることをただ読むのではなく、自分で手を動かしてみて一つ一つ確認し、常識にしていくのが物理の勉強です。
手を動かすことが大切です
②適切な数式表現(定量的理解)
物理現象を基礎法則から原理的に考え、成り立つ関係を立式していきます。
これは数理言語の適切な運用、解釈ができること
つまり、現象をモデリングし、定量評価できる形に落とし込むということです。
そして、得られた結果から何が読み取れるのか常に意識するするのも忘れてはいけません。
現象と数式の対応関係
③現象の解釈(定性的理解)
モデルの定量評価によって、我々は一見複雑な現象を解きほぐすことができます。
しかし、それでもなお、人間の理性では捉えきれない物理現象は多々あります。
そういったものに解釈を与え、定性的に何が起こっているのかを理解しようとするのが物理学者の使命・課題であり、また研究の楽しみでもあります。
世の中、まだまだ謎だらけ
物理の問題演習の意義
物理現象を基礎法則から原理的に考える習慣を演習を通してつけることが大事です。
慌てずに成り立つ関係を書き出したらあとは数式から数学的に解を求めるだけだということがどれだけ実感として持てるか、これが本番の自信に繋がります。
演習を通して、基礎法則の理解が不十分な点を潰していきましょう。
また、実践的なアドバイスとしては、設問の誘導に従って問題を解いていくのではなく、設定の変化など題問の大まかな流れだけ掴んだら、成り立つ関係を全て書き出して、ある程度自分で現象の考察をした上で、聞かれたことに答えていくという練習をするといい練習になると思います。
身の回りの現象のモデリング
物理で挑戦してほしいこと
東進の苑田尚之先生
物理の概念を体系的に教授し、物理現象を基礎法則をもとに考える本物の力が付きます。
数式は言葉です、計算じゃない,,,
物理チャレンジ
20歳未満で大学などの高等教育機関に入学する前の高校生や中学生を対象とした全国規模の物理コンテストです。
国際物理オリンピックに派遣する日本代表選考を兼ねています。
僕は高校生時代、そもそも知リませんでした
(地方あるある)
国際物理オリンピック
ここで入賞すれば、東大に推薦で入れます()
物理の講座【東進】
自分は東進生だったので、受講していた講座も紹介します。
受験期に東進で学んだことで、今の自分があると行っても過言ではありません。
- ハイレベル物理
- ハイレベル物理演習
- 東大対策物理
- 大学の物理
全て苑田尚之先生の講座です。
基礎法則・概念の理解や実際の運用から大学以降をみすえた理数系科目への取り組み方まで、全て苑田尚之先生から学びました。
授業ごとに、何も見ずに板書の内容を白紙に再現したり、扱った演習問題を解き直したりして適宜理解を深めていました。
通常速度での受講がおすすめです
大学で物理を極めたいと志す人
尊敬できる物理の師を探している人
物理の参考書
物理に関しては苑田先生に全て習うのがオススメです。
新・物理入門(駿台文庫)
物理を専攻するきっかけになった本です
理論物理への道標(河合出版)
高校生向けとは思えないハイエンドな参考書
鉄緑会 物理攻略のヒント(角川学芸出版)
パラパラ読んでました
鉄緑会 東大物理過去問
市販の過去問題集やるなら、鉄緑会がオススメ!
難問題の系統とその解き方 物理(力学・熱・波動/電磁気・原子)
改定されて、誤植が減った印象です
物理の勉強法に関するよくある質問
- 物理の公式が覚えられません。覚えるコツはありますか?
-
物理の公式は覚えるのではなく、原理から導出する過程を理解することで問題の状況に応じて、その都度導出するべきです。公式を覚えて当てはめる練習を繰り返していると、イレギュラーな設定に対応できなくなってしまいます。
- 数学が苦手なので物理ができません。
-
それは思い込みです。物理を通して生きた数学を学ぶことで数理科学の素養を身につけることができます。学校の先生のもとで勉強しても、そうはならないと感じた方は予備校などで進んだ授業を受けてみることをお勧めします。
アオミネ