数学は理系志望の学生が避けて通れないの科目の一つ。
論理的思考力や問題解決能力が問われ、正しいトレーニングを積めば大学入試においては高得点を狙える科目です。
しかし、数学は積み重ねの学問なので、小中学校で躓いてしまっている方には難易度が高いのが実情。
本記事では、理系の視点から数学の勉強法を解説します。
数学を勉強するメリット
①物事を論理立てて考える力がつく
論理に破綻のない答案を書こうと思ったら、与えられた命題に対して、必要十分な解に、至るまでの道筋を明確に示していく必要があります
一つ一つの同値変形を根拠を持って行うことは、与えられた課題を細分化し、スモールステップで順序立てて問題を解決していくことにも通じるところがあります
困難は分割せよ
②数式が読めるようになる
数式は言葉です、ただの計算ではありません。
与えられた数式を計算によって式変形できることも確かに重要です。
しかし、その本質、その数式が意味するものを実感し、理解する力は数学と真剣に向き合ったものにしか身に付きません。
数式が読めると、自然科学で数理モデリングを行う際、どのような数式でこの現象を表現するかをまるで”言語”として考えることができるようようになります。
この考え方はとても重要なので、頭の片隅に留めておいてください。
数式は言葉です、計算じゃない
よくある誤解
問題がスラスラ解けない
多くの人が誤解していますが、数学の問題はスラスラ解けなくて“当たり前”です。
問題を解く手順は大体以下のようになります
- 状況設定の把握
- 文字を具体的な数値に置き換えて”実験”
- 解法の発見
- 文字で論証
- 解答
これをもう少し具体的に掘り下げてみたいと思います
数学の問題を解くときに考える手順
①状況設定の把握
まず与えられた問題、命題の内容を確認し、抽象化していきます
全ての〜、任意の〜、→全称記号
ある〜、適当な〜、→存在記号
ならば、のとき、→⇒
記号で抽象化するメリットは、日本語で冗長に示された命題よりも、情報のサイズが小さくなる、コンパクトになることで、命題間の論理関係が明確になるからです
②文字を具体的な数値に置き換えて実験
いくつか具体例をあげます
①写像
②数列
③確率
図形問題などでも、具体的に値を計算しやすいように決めて、解析的にやって見るのもあり
③解法の発見
写像の概形を掴む、一般化せず小さな数字で規則性を見つけるなど、図形や立体のイメージが頭に思い浮ぶ
④文字で論証
写像の概形を掴む、一般化せず小さな数字で規則性を見つけるなど、図形や立体のイメージが頭に思い浮ぶことで答えにあたりがついたら、文字で一般化したものを論証していきます
代入するときに必要十分なまま、変形することを心がけましょう
証明問題の場合はこのとき、必要条件さえ示せば良いので、必要十分であることを頑なに守るだけでなく、同値性をわざと崩すのも戦略です
⑤解答
最後に、作った解答を通して見て、論理に誤りがないかを確認しましょう
数学で求められる力とは
数学で求められる力とは
- 論理
- 思考力
- 計算力
の3つです
①論理
問題文に示された条件を簡潔に表現し、必要十分な解へと同値変形していく力
論理記号【∀、∃、⇔、∈、¬、∧、∨など】や同値性については、一度しっかり学ぶ必要がある(ルールの勉強)
論理学を勉強すると、これについてより詳しく学ぶことができます
全称記号、存在記号、同値記号
②思考力
実験を通して、対称性や規則性に気づき、数式に落とし込む力
問題演習を通して養う(実戦練習)
すぐに答えを見ずに、自分で考え抜くことが大切
③計算力(数式処理能力)
数式・条件を処理する力
反復練習によって鍛える(筋トレに近い)
毎日コツコツやるのもいいけど、今日は計算の日!、みたいに狂ったように計算だけやる日を作るのがオススメ(諸説あり)
数学を勉強する際には、今自分は①②③のどれを勉強しているのか意識して学習してください。
数学のオススメ参考書
下記のものは自分が現役の受験生だったとき、家庭教師をやっていたときに実際に使用していたものです。
よく個別に質問がくるのでまとめておきました。
ぜひ、参考にしてみてください。
教科書ガイド【易】
自学自習、授業の予習に必須。
学校の先生は生徒がこれを持つのを嫌がります
4STEP【易〜普通】
教科書傍用問題集。
学校で使ってました
チャート式【易〜難】
数学参考書の定番。
難易度は
白【易】→黄色【普通】→青【普通】→赤【難】
こんなにカラー展開があるとは知りませんでした
ちなみに、大学生用のもあります。
チャート好きの方はぜひ!
一対一対応の演習【普通】
典型例題の演習ができる一冊。
余力があったら、大学への数学にもチャレンジしてみよう!
入試数学の掌握【難】
全称命題や存在命題、通過領域など入試数学をテーマ別にまとめた稀有な一冊。
旧課程の参考書だから、行列の問題も入ってるよ
数学の真髄 -論理・写像-【難】
数学は教科書だけで十分なんて嘘。
教科書に記載されているのは必要最低限。
つまり、必要条件であって十分条件ではありません。
鉄緑会 東大数学過去問題集30カ年【難】
問題の背景から学ぶことが多い一冊。
追記:改訂版は40ヵ年になってました
もはや鈍器。
数学の講座
数学の真髄
東進の青木純二先生の講座。
論理をはじめ、差分や写像、一致の定理や外積など、高校数学では馴染みがない概念を学ぶことができます。
大学の数学「線形代数」
知る人ぞ知る東進の大学範囲の講座。
大学の数学「基礎解析」
知る人ぞ知る東進の大学範囲の講座。
余裕がある人は世界が広がるので、受講をオススメします。
数学の勉強法に関するよくある質問
- 数学の公式を覚えるには?
-
導出のプロセスを丁寧に確認して、実際に紙とペンで手を動かして理解しましょう。
- 計算ミスをしないコツは?
-
なぜ計算ミスをするのか、それは計算しているからです。
する必要のない計算がケアレスミスを誘い、合格を遠ざけます。
もっと簡単に解く方法はないか、常に自問自答してください。
アオミネ