連日の暴露で一部界隈をざわつかせていたガーシーさん。
参議院選挙でNHK党から全国比例代表で当選したというものです。
これを受けて、Twitterでは「ガーシー当選」がトレンド入り。賛否両論入り乱れました。
“暴露”から”告発”へ
ガーシーの経歴をここで簡単に補足しておくと、今の活動を始める前はいわゆるアテンドとして、芸能人や企業の社長などの遊びをセッティングしていたそうです。
そのため、裏の事情に詳しい事情通であり、芸能界の情報をたくさん抱えていました。
しかし、当初は実はそこまでたくさんの情報は持っていなかったはずですが、今まで雑誌に入っていたタレコミなどがガーシー個人に直接届くようになり、暴露系として一躍名を馳せることになりました。
ここで重要なのがその情報の信頼性です。
これまで、暴露を受けてきた芸能人の中には、その発言を一蹴して今まで通り活動している人もたくさんいます。
それは「情報の信頼性が薄い」からです。
政治家になったことで、ガーシーの肩書きは「国会議員」になり、ガーシーが議員の不祥事について発言することは「暴露」から「告発」になりえます。
国会議員の方はこれまでのようにはいかず、常に身辺を綺麗にして政治に臨まねばならなくなるでしょう。
毒を持って毒を制す
また存在そのものがそういったスキャンダルの抑止になることも考えられます。
ここで思想家ベンサムの考えた「パノプティコン」を紹介したいと思います。
パノプティコンとは中央の高い監視塔から監獄のすべての部分が見えるように造られた円形の刑務所施設のことで、以下ようなものをイメージしていただければ大丈夫です。
この施設では、中央の監視塔から監獄の全てが見えるため、監視塔に人がいるだけで、たとえ見ていなかったとしても、監獄の中の人は常に監視されている感覚になり、自律的に行動を改めるというものです。
ガーシーは国政におけるこの“監視塔”の役目を果たすと感じています。
国会において、不祥事を告発しうる存在は抑止力になり得ます。
ガーシー自身、あまりいい行いをしてきた人ではありません。
しかし、大局的にみて政治がクリーンになることを期待しています。
若者の民意が反映された
今回の選挙によって、ネットを通じてガーシーの出馬を認知し、投票することで応援した有権者達に成功体験を与えることができたのではないかと思っています。
選挙に関する関心が希薄な20~30代の若者達にとって、この成功体験は政治について改めて考え、次の一票をどこに投じるか考えるきっかけになったのではないでしょうか?
「ガーシーが当選するなんてこの国は終わってる」や「若者に投票権を与えるべきではなかった」という意見も見受けられましたが、少し分不相応な大きさの主語でしゃべっているように感じてしまいます。
自分の意見が国民の総意であるかのような発言は民主主義である以上、現に慎むべきです。
ガーシーの当選はどちらに転んでも国民が政治に関心を持つきっかけを作ったという意味で、一定の評価はなされるべきでしょう。
暴露から告発へ情報の信頼性が上がる
政治の腐敗は止める抑止力たりうる
若者が政治に興味を持つきっかけになったかも
今回は以上になります。