東大受験指導の名門として名高い鉄緑会が2012年度から2021年年度(10年分)の東大化学入試問題の解き方を丁寧に解説。鉄緑会が実際に講義で使用する、高校・予備校教員も待望の「東大受験生」必携書。
「東大物理問題集が近くの本屋さんに売ってない…」
「どんな内容の参考書か気になる…」
こんな方は意外と多いはず。
東大合格までに使った参考書〜、みたいな紹介の仕方はあっても、この一冊を掘り下げてるサイトは僕が調べた限り見当たらなかったので今回、しっかりまとめてみることにしました。
筆者は受験生のとき、鉄緑会の教材を使用していたため、信頼性担保につながると思います。
【鉄緑会】東大化学問題集
鉄緑会東大化学問題集を実際に使ってみました。
市販の問題集の中ではトップクラスに良い参考書だと感じたので紹介します。
鉄緑会ってどんな予備校?
鉄緑会とは
1983年、東京代々木に中高6年一貫の有名進学校の生徒を対象とした、東京大学受験指導の専門塾として設立された。以来今日まで、開成、筑駒、桜蔭といった首都圏難関校の最上位層が己を研鑽する場として集い、その独自の6年間カリキュラムの徹底した指導により、毎年極めて高い合格率で圧倒的多数が東大合格を手にしている。歴代の鉄緑会卒業生も、現在では医学界・法曹界・政官界・学術界と、国内外を問わず幅広く活躍している。
鉄緑会の鉄は東大医学部の同窓会組織「鉄門倶楽部」の鉄、緑は東大法学部の同窓会組織「緑会」の緑。文字通り、東大医学部、法学部の学生・卒業生の伝統を基盤としている。
【鉄緑会】東大物理問題集より引用
順番に見ていきましょう。
1983年、東京代々木に中高6年一貫の有名進学校の生徒を対象とした、東京大学受験指導の専門塾として設立された。
鉄緑会は、都内の受験界では有名な東大対策に特化した予備校です。
以来今日まで、開成、筑駒、桜蔭といった首都圏難関校の最上位層が己を研鑽する場として集い、その独自の6年間カリキュラムの徹底した指導により、毎年極めて高い合格率で圧倒的多数が東大合格を手にしている。
入塾には指定校が存在し、指定校の生徒は都内の私立一貫校に入学するタイミングで入塾すると、入塾テストなしで入ることができます。
そのタイミング以外での入塾や指定校以外からの入塾には、厳しい入塾テストをクリアする必要があります。
歴代の鉄緑会卒業生も、現在では医学界・法曹界・政官界・学術界と、国内外を問わず幅広く活躍している。
興味のある方は、ぜひご自分で調べてみてください。
鉄緑会の鉄は東大医学部の同窓会組織「鉄門倶楽部」の鉄、緑は東大法学部の同窓会組織「緑会」の緑。文字通り、東大医学部、法学部の学生・卒業生の伝統を基盤としている。
東大に入ると、理科三類(医学部)や文科一類(法学部)のみが入れるサークルが存在します。
【鉄緑会】東大化学問題集:はしがき
本書は,過去10年間の東京大学の入学試験(前期日程)で出題された化学の入試問題を網羅的に掲載した問題集である。鉄縁会化学科が総力を挙げて東京大学の化学の入試問題を分析・研究した結果の集大成であり,受験生諸君を東京大学合格へと導く道標となるべく著されたものである。
各大学の入試問題を分析していると,近年,二極化の傾向が顯著に感じられる。教科書に載っている語句・反応式・実験内容などをそのまま問う大学と,どんな受験生も見たことがない,目新しい題材を取り上げる大学である。東京大学は当然後者に属する。
東京大学の化学の入試問題は,ここ十数年の間にその出題傾向を大きく変化させてきた。
2000年代以降,巷の問題集に類題がそのまま載っているような「典型問題」や,「覚えている知識を答えるだけ,それを覚えていなければ終わり」といった単に知談を問うような出題は,年々減少する傾向にある。それに対し,目新しい実験装置に関する出題,歴史的論文からの出題,最先端の研究から得られた知見をもとにする出題といった,応用的・発展的な出題が目立つようになってきた。
こうした傾向は,世間に流布する「化学は暗記科目」という誤った”常識”を打破し,「原子・分子についての基本的な知識・法則をもとに,千差万別に見える種々の化学変化を統一的に理解し,未知の現象を予測することを目指す学問」という化学の”本質”を受験生に認識させようとする,東京大学からの強いメッセージであると言える。
東京大学からのこの明確なメッセージを受けて,受験生の側も,化学の学習に対する姿勢を省みる必要があるだろう。日々の化学の学習において,「なぜそうなるのか」という理由を,十分に突き詰めて理解できているだろうか。「よく分からないけれどとりあえず覚えておこう」と安易な暗記に走る,表面的な学習に陥っていないだろうか。東京大学が要求しているのは,表面的な知識量ではない。知談に裏付けられた,論理的な思考力なのである。
実際,近年の東大入試化学では,時に大学で学ぶ化学の内容にまで踏み込んだ発展的な出題がなされるが,それらの問題は,決して大学で扱う化学の知識を要求しているものではないし,また,それらの知識を先取りして学んでいれば有利になるといった類のものでもない。
教科書に載っているようなごく基本的な知識と法則の理解さえあれば,あとは論理的思考によって正答にたどり着くことができるよう,問題が入念に作り込まれているのである。
このように良質な問題で構成された東京大学の入試問題は,東京大学が要求する論理的思考力を身に付けるための,至高の教材であると言える。本書は,単に東京大学の入試問題とその正解を羅列した問題集ではなく,各問題を徹底的に分析することで,試験場で時間内に正解に至れるような強靱な論理的思考力を身に付けることを目指した「研究書」である。そのためであれば,ページ数が増えることを厭わず,一切の妥協を排して徹底的な解説を行った。だからこそ,本書は単に「答え合わせ」のみに使うのではなく,解説を熟読して,化学という学間を貫く論理性を体得するために活用して頂きたい。
また,東京大学の入学試験が形式面において大きく特徴的なのは,理科全科目に共通してレポート用紙状の解答用紙が与えられる点である。解答欄や途中過程記入欄といったものは一切用意されていない。解答用紙上の空間をどのように分割して,各設問にどれだけのスペースを割くべきか,途中過程をどの程度記入すべきかといったことは,すべて受験生一人一人の判断に委ねられているのである。
東京大学が長年一貫してこのような解答用紙を用意しているのは,サイエンスの世界で必須となる”科学的文書作成能力”を身に付けてほしいという明確な意図があってのことであろう。実験レポートや科学論文をはじめとする科学的文書を作成するにあたっては,論理性が不明瞭な表現は御法度であるし,冗長であってもならない。論理展開に必要十分な要素で構成された,明晰で簡潔な表現が求められる。東京大学は,受験生に対して,単に問題を解決する能力だけではなく,自分の思考を科学的文書として具現化できる表現力をも要求していろのである。
そこで本書では,各年度の入試問題に対して,手書きによる答案例を収録した。これは,単に模範解答を手書きで書き写しただけのものではない。解答用紙のスペース・問題量・制限時間・出題意図など,あらゆる要素を考慮した上で,理想的な答案作成法の一例として掲げたものである。
この手書き答案を作成するにあたっては,実際の試験場でどこまで詳しく記述すべきであるのか,あるいは省略が許されるのかといった点について,鉄緑会化学科の講師陣で一つ一つ議論を積み重ねた。その結果出来上がったこの手書き答案は,改行位置に至るまで細かく考慮された,非常に完成度の高いものとなっている。ぜひ,自身が作成した答案をこの手書き答案と対照し,目指すべき手本として研究して頂きたい。
受験生諸君が本書を”座右の書”として活用し,東京大学が要求する知識と思考力,そして科学的表現能力を身に付け,各自の目標を達成する一助として頂けることを心から願っている。そして,本書を貫く科学に対する論理的姿勢が読者の興味を惹き付け,諸君を深遠なるサイエンスの世界の入口へと誘うこととなれば,この上ない幸いである。
鉄緑会化学科
【鉄緑会】東大化学問題集:まとめ
今回の記事では、鉄緑会東大数学問題集を紹介しました。
東京大学の化学を徹底研究したい方は、赤本や青本ではなく、ぜひこの問題集を活用して学習を進めていきましょう!
もっと化学を深く学んでみたいという方は、東進ハイスクールの鎌田真彰先生がオススメです。
以下の記事に詳しくまとまっているので、興味のある方はどうぞ。